「それじゃ、俺、女と約束あるから先に帰るわ」
「うん、戦利品受付所に出しておいてねー」
ゲンマさんはさっさと部屋に付いている家族風呂を使うと、こざっぱりとした表情で先に宿を出た。
俺とカカシさんはまだ風呂を使っていない。
俺の身体は誰のものともわからない体液でドロドロで、無残としか言い様が無かった。
犯されたのよりも、何よりも。
二人の前で漏らしてしまった事で、俺の人としての尊厳とか、プライドとか、粉々に砕け散ってしまった。
精神的に立ち直れそうも無い。
涙があとからあとから溢れて止まらない。
俺はジジイの部屋から持ち帰った薄手のかけ布団に頭まですっぽりと包まって部屋の隅で篭城していた。
「さてと」
カカシさんが近付いてくる気配がして。
ふわりと体が浮く。
また掛け布団ごとカカシさんに俺は担がれた。
「いや、いやです・・・」
「いやだって、言ったって。お風呂入んなきゃ。その間に部屋掃除してもらおうね」
体液やら、色んな物で部屋の畳はひどい有様になっていた。
「だって、すんごくびしょびしょになっちゃったから」
言われなくても分かっているのに。
カカシさんは俺の心の傷口をぐいと開いて塩を擦り込む。
「う・・う、うーっ」
歯を食いしばっても鳴き声が漏れてしまう。
「あ〜あ、イルカ先生、可愛かった。漏らしちゃうくらい気持ち良かった?」
脱衣所で掛け布団を引き剥がそうとするカカシさんに俺は必死に抵抗した。
「あー、もう。何にもしないからさ。変化解いてもいいから」
女体でいるよりは男に戻った方が遥かに安全だろう。
俺は半日ぶりに女体から本来の男の姿に戻った。
でも、腰が立たない。
カカシさんは俺をひょいと抱きかかえると風呂場に連れて行ってくれた。
風呂場のカカシさんはさっきとは打って変わって優しくて、無骨な男の身体に戻った俺を優しく丁寧に洗い清めてくれた。
風呂椅子に腰掛けたまま、俺はすっかりカカシさんに任せきりにしてぼんやりしていた。
「ちょっとは落ち着いた?」
けだもののような激しさはすっかり形を潜めて、柔らかくカカシさんは俺に笑いかけた。
その頃には、今回は伽役のくの一の代わりなのだから、と。
俺もかなり割り切って、心の整理もつき始めていた。
だが。
「それじゃ、お尻こっちに向けて」
「・・・・は?」
「俺のが一杯入ってるから、掻き出さなきゃ」
数瞬間を置いて、カアと俺の顔が火照る。
「お腹壊しちゃうよ。浣腸と一緒なんだから」
「かっ・・・、かん・・!!」
俺が泡を食ってワタワタしているうちに、カカシさんは鮮やかに洗い場で俺の身体をうつ伏せにひっくり返す。
ぐいと腰を高く引き上げられてあっという間に俺は四つん這いにさせられた。
「うあぁっ!!」
抵抗する間もなく、ズブリとカカシさんの指が俺の後口に潜り込んできた。
「気持ち悪いだろうけど、我慢して」
カカシさんは中で指を鉤状に折り曲げて何度も引き抜く。
パタパタと、洗い場のタイルに白濁の液が滴り落ちる。
俺の内股も白く濡れた。
「はっ・・、あ、ああ・・」
カカシさんが指の腹で俺の直腸を擦るたびに、背骨を伝って甘い痺れが這い上がってくる。
ただの処理だというのに。
「イルカ先生、もう少し上体起こして」
そんな事を言われても、俺の腕には全く力が入らなくて。
腰だけを高く上げて、尻の穴も、その下の陰嚢も、陰茎も。すべてを無防備にカカシさんの前に晒している。
「イルカ先生は、閨の任務には向かないねぇ」
カカシさんが足の間からやんわりと俺のペニスを掴んだ。
俺のペニスは芯を持ち始めていた。
身体の変化は隠しようも無く、カカシさんには一目瞭然だった。
数回扱かれただけで俺のペニスは硬く尖りきった。
「あ、ああ、くぅ・・・」
「ねぇ、クリトリスとペニスだと、どっちが気持ちいいの?」
そんな卑猥な質問に答える余裕なんかない。
俺はカカシさんに手荒く性器を握られて擦られるたびに、風呂場いっぱいに反響するほど喘いだ。
カカシさんは俺のアナルに指を埋めたまま、俺のペニスを脚の間から握り、ぐいぐいと扱き下ろす。
どうして、女の扱いも男の扱いもこんなに手馴れているんだ。
冷たい風呂場のタイルに頬を押し付けたまま、カカシさんから与えられる刺激に俺は翻弄されまくった。
ビシャリと、俺が精液を吐き出したとき、
「ごめん。また、勃っちゃった」
ズブリと、俺の柔らかく解れたアナルにカカシさんがまたペニスを突き刺してきた。
「ああぁーー!!」
後から俺の腰を抱きこんで、くたりと萎えた俺のペニスを扱きながらカカシさんは最初から激しく抽挿を繰り返す。
「んっ、可愛いね、イルカ先生は。女でも、男でも。気が付かなかったなぁ・・・・」
「うあっ、ああっ・・!」
ガクガクと激しく腰を揺さぶられる。
カカシさんのペニスが容赦なく俺の性器の裏側を抉る。一度萎えた俺のペニスは途端に再び力を持ち始めた。
いったい、あと何回達すれば離してもらえるんだろう。
それを見届ける事は出来ずに、俺はとうとう意識を失ってしまった。










「・・・・んじゃ、イルカ先生は俺の専属って事で」
「まあ、あちこちに種をばら撒かれるよりはましか・・・」


ぼそぼそと話し声が聞こえて、俺はゆっくりと覚醒した。
人肌が心地よくて、ボーっとしていたが。
「イルカ先生、目が覚めた?」
ひどく近くでカカシさんの声が聞こえて俺は目を丸くした。
俺はカカシさんにおぶられていた。
なんと、カカシさんの肩越しに、難しそうな顔をした綱手様が見える。
俺が気を失っている間、波の国から木の葉の里までずっとおぶってきたというのだろうか。
人知を超えた上忍パワーに俺はまた気を失いそうになった。
「イルカ、任務ご苦労だった・・・・」
なんだか、綱手様の口調は歯切れが悪い。
受付所の空気もおかしい。
俺がカカシさんの背中におぶられているから、というだけではないみたいだ。
「五代目。早くさっきの話してくださいよ」
カカシさんの声はひどく弾んでいた。
その間も俺はカカシさんの背中から降りようともがいていたが、カカシさんの両腕がしっかりと俺の太腿を掴んでいてびくともしない。
「イルカ、頼まれてくれるか」
いやです!!
思わず反射的に叫びそうになった。
この俺が里長の綱手様に反抗しようとするなんて。
でも、俺の第六感は脳内で派手に警報を鳴らしているのだ。
「今まで通り、教職もアカデミーの受付も続けてもらうがな・・・・。時間が空いた時でいい、その・・・、時間外手当も出す・・・」
「俺の専属で伽役をしてください」
綱手様は歯に衣を着せすぎて要領を得なかったが、カカシさんは直球過ぎた。
「いやです!!!」
「ええい!死ぬわけでもあるまい!!大人しくカカシの面倒を見ろ!!」
綱手様は突然逆切れした。
さっきまでの歯切れの悪い、申し訳なさそうな風情の綱手様は何処に行ってしまったんだ。
でもこうなってしまえば俺が太刀打ちできるわけが無い。
里長の命令は絶対なのだから。
世の中の理不尽さと、不条理さに泣けてきた。
えぐえぐと泣きじゃくる俺を、カカシさんは鼻歌混じりにおぶったまま受付所から連れ出した。


何故かそのあと、カカシさんは俺のアパートに転がり込んできて。
俺は承諾していないが、それからずっとカカシさんは俺のアパートに居座っているのだ。
俺のセックスライフは満たされすぎて、20代半ばにして精も根も枯れてしまいそうだ。
ゲンマさんとはあれからしていないけれど、カカシさんはなぜか俺に飽きる事なく。
今もカカシさんとの爛れた関係は続いているのだった。




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