「あ、あ、くっ・・」
九郎の顔は羞恥に赤く染まり目尻には涙まで浮かんでいる。
声が漏れぬように噛み締めていたのだろうか、唇はうっすらと血が滲んでいた。
だがその努力も巧みな正子の口淫を前にしては無駄な事だった。
政子は喉の奥まで九郎の陰茎を引き入れては舌の平と頬の肉で揉み込むように既に弾けんばかりに育った九郎の性器をさらに刺激する。
「政子、さまっ・・・」
九朗が切羽詰まった声を上げた時に、政子はずるりと小さな口から九郎の雄を吐き出した。
「う・・」
ひくひくと小さく痙攣しながら九郎は全身を強張らせている。
「もうそろそろ限界かしら?」
自分の唾液と先走りの蜜でぬめる九郎の性器を政子はゆるゆると扱く。
ここまで追い立てられてからの、緩やか過ぎる愛撫。
決定的な刺激を与えられずに焦らされて、それでも僅かに残った理性が政子に更なる愛撫を強請ろうとする自分を押さえる。
「景時、九郎に奉仕してあげて。いつも鎌倉殿にしているように、ね?」
九朗が驚いて首をめぐらすと、青い顔をした景時が自分のすぐ脇まで来ていた。
「九郎・・・、どうしてすぐに京に帰らなかったんだ・・・・」
「景、と・・き・」
「目を、瞑っていて」
九郎は仰け反って、いきなり与えられた強い刺激に耐えた。
政子とは全く違う骨ばった大きな手が強く九郎の性器を握りこむ。
「や・・!あっ・・」
思わず自分の下肢を覗き込んで九郎は眩暈を覚えた。
景時が激しく自分の陰茎を擦り立て、先端を口に含んでいる。
普段とは全く様子が違う景時の痴態に九郎の頭の中で心音がうるさく響く。
「あ、ああ!」
亀頭の括れを舌先で抉られて、腰の中心から脳天までピリピリとした過ぎる快感が走る。
景時の舌は柔軟で、舌の平全体で柔らかな肉を舐め上げたと思えば雁首の縁を尖らせた舌先でぐるりと強くなぞる。
口淫をされること自体初めての九郎はひとたまりも無かった。
「景時!も、うっ・・・」
堪らずに九朗が腰を突き上げる。
景時は腰を押し付けられるままに喉の奥まで九郎の雄を飲み込んだ。
「あああぁ!!!」
九郎の陰茎が痙攣するたびに景時の喉の奥に白濁の蜜が叩きつけられた。
それを景時は一滴も残さずに嚥下する。
景時が上体を起こして九郎を窺うと、九郎は泣き濡れて焦点の合わない目を天井に向けていた。
「九郎」
景時は顔に張り付いた九郎の髪を優しく払った。
「九郎、泣かないで。こんなことで、九郎は汚れたりしない・・・・」
あとからあとから零れ落ちる九郎の涙を、景時はそっと指の腹で拭ってやる。
「汚れるのは、俺だけだから」
九郎は自分にゆっくりと覆い被さってくる景時をぼんやりと眺めていた。
「目を、閉じて」
九郎の澄んだ色素の薄い瞳を覆う景時の手は微かに震えている。
「これから、俺は・・もっと九郎に酷い事をする。恨むなら、俺を・・・」
あの圧倒的な力を前に、抗う術の無い俺を・・・。
景時の小さな呟きは九郎の耳には届かなかった。








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