波の国では俺は死にかけたり結構危なかったんだけどな。
なんとナルトは俺が死んだと早合点してぶち切れたそうだ。
後でサクラから聞いたんだけどな。
俺はそれを聞いただけでイッちまいそうになった。
俺の下半身は相当やばくなっている。ナルトの『ナ』の字を聞いただけで反応してしまいそうだ。
ナルトに対する俺の想いは際限なく盛り上がる一方だ。
我ながらやばいと思う。
堪え性の無い下半身に歯噛みする想いだ。

今の関係が壊れるのも怖いよな。
ビクつく自分がかっこ悪いし、情けないけどな。
とにかく、俺はぴったりナルトに張り付いて、悪い虫が付かないように目を光らせるくらいしか出来ない。

里の大門をくぐって俺達7班は解散した。
サクラとカカシはそれぞれ家路についた。
俺の少し前をナルトが歩いている。
こ、声をかけるか・・・・。どうする、俺。
俺が手をナルトに向けて上げかけたと同時に、ナルトは弾かれたように前方に駆け出した。
なんだ、何が起こったんだ。
俺はナルトが向かう先を目で追い、そして敗北感に打ちのめされる。

『イルカせんせーッ!!一楽連れてってくれよっ!!』

イ・・・・イルカ先生め・・・・。
いとも簡単にナルトの興味を自分にひき付けてしまうんだ、あの人は。
俺は、まだイルカ先生に到底勝てない。
ナルトは屈託なく、イルカ先生の腰に纏わりついている。
ナルト、俺の腰にも纏わりついてくれ。
イルカ先生は無造作にわしわしとナルトの髪の毛をかき混ぜている。
死ぬほど羨ましいぜ。
パッと見、硬そうに見えるナルトの髪は本当は細く柔らかくて、金糸のようなんだ。
仲睦まじい二人の様子を眺めながら、俺のナルトに向けかけた手は空しく中を泳いでいた。
きっとナルトの中の好き好きランキングは、イルカ先生>ラーメン>サクラ>・・・・・・・・俺か?
いや、そもそも俺は好かれているのか?
会えば喧嘩ばっかりしているからな。
その時間すら俺には至福の時なんだけどな。
そのランキングには、へたすりゃ俺の前にテウチさんとかも入ってくるんじゃないだろうか。
カカシもか?俺ははたして牛乳には勝っているのか?
俺の思考がとめどなく彷徨い始めた時、俺の隣に俺と全く同じ様子で手を泳がせている男がいるのに気が付いた。
『イ・・・イルカ先生。今日は俺と約束してたのに・・・・』
何だよ、写輪眼。
お前、帰ったんじゃなかったのか。
うざいぜ。
イルカ先生はようやく、所在無さげに立ち尽くす俺とカカシに気付いた。
『サスケ!カカシ先生も!一緒に一楽行きますか〜!?』
『・・・行く』
『い、いきますっ!』

くそ。
俺の『ナルトと二人っきりでラブラブで夕飯でも食べる』大作戦が、おじゃんだぜ。
まあ、今日の飯代が浮いたしな。
それはそれで、良しとするか。
また次の機会もあるしな。

無邪気にじゃれあいながら一楽へ向けて歩き出すナルトとイルカ先生を、俺とカカシは目を細めて眺めていた。
まあ、恋する男はかなり馬鹿だ、ということだな。


おしまい。