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「そんな緊張しないで、力抜いて」
「は、はい」
おずおずとイルカはベッドに身体を横たえる。サッとカブトが左右にシャツを払うとイルカの上半身が露になる。指を這わせ何者かに付けられた痕をカブトは一つずつ辿っていく。その度にイルカは微かに体を震わせる。
「痛い?」
「いえ・・・大丈夫です」
「ここまでくると広範囲で内出血しているようなものだよ。塗り薬をつけておくね」
カブトは白衣のポケットから白いチューブを取り出すとたっぷりと中身を指の上にのせる。
「ふぁ・・んっ・・!」
ぬるりと胸の上を滑る冷たい感触にイルカは思わず息を詰める。
「気持ち悪いだろうけど、我慢して」
胸全体に薬を塗り広げた後、今度は掌全体で胸筋を揉みしだくようにする。掌で胸を上下に撫でるたびに胸の桜色の突起は存在を主張するように硬く立ち上がる。
「あ!あっ・・せんせ・・い」
「患部を良くマッサージすれば血行が促進されて治りも早まるからね。」
もっともらしい事をカブトは言う。
「ああ・・ここも凄く痛そうだね」
カブトは硬く尖った胸の先端にいきなり口をつけきつめに吸い上げた。
「あっ!?あああぁ!」
思わずカブトの頭を押しのけようと腕を伸ばすが不思議とイルカの体には力が入らない。だが感覚だけは研ぎ澄まされていくような気がする。
(うぇ、苦い。失敗した)
イルカの胸に塗り広げたのは何の事は無い、手荒れ性のカブトが持ち歩いているハンドクリームだ。クリームを舐め取るように乳首を舌で転がしては吸い上げ、もう片方は親指の腹で押し潰すようにぐいぐいと刺激する。親指で押すたびにクリームにまみれた突起はつるりころりと指から逃げる。
「止め・・んっ・・んん!!何でそんな事っ・・!?」
「僕の体液は特殊なんだよ。幼い頃から大量に色んな薬草を摂取してきたおかげでね、痛みを抑えたり、傷をふさいだり、鎮静剤の効果もある」
そんな事、当然、全くの嘘っぱちである。
「証明してあげようか」
上体をぴったりと密着させイルカに覆い被さるとカブトは深くイルカに口付けてきた。舌を奥まで侵入させ、イルカの舌を難無く絡めとる。頬の裏側、歯列の裏側、舌をイルカの口内で遊ばせながらカブトは大量の唾液を流し込んだ。口付けの最中もカブトはイルカの脇腹を撫で上げ、思い出したように乳首を指の腹で擦り、捻り上げる。
「うっ・・むぁ!んん!」
「全部・・飲んで」
甘い息継ぎの合間にカブトはイルカに言い付ける。
思う様口内を嬲ってイルカから唇を離すと、イルカは涙目になりながらカブトの唾液をコクリと嚥下した。
「そう、いい子だね。どうだい、落ち着いただろう?」
「・・・え・?は・・・はい・・」
イルカは頬に掠めるようなカブトのキスを受けながら考えようとした。
(そ、そうかな・・。どうだろう・・・)
でも心臓はうるさい位にどくどくと脈打ち、いつもに増して頭が働かない。頭はぼんやり霞がかっているのに、カブトの声とカブトから与えられる感覚だけは妙にクリアだった。
「昨夜、君は誰に抱かれたの?」
「あの・・・カカシ先生です」
躊躇いは一瞬で、カブトに促されるままにイルカはポロリと答えをもらす。
(・・・だいぶ効いてきた)
カブトはくっと喉の奥で笑いながら、ゆっくりとイルカの耳朶を口に含んだ。イルカは鼻にかかったような掠れた声を漏らす。
捕虜の忍に口を割らせる為に使われる薬がある。自白剤の成分も含まれるそれは摂取した人間の感覚を倍増させる。主に拷問時に使われるが、感覚を倍増させるという事は痛覚も増すと同時に受ける快楽も増すという事。
暗部に様々な怪しい薬の配合を頼まれるカブトは学校の保健室にはどう考えても必要ない薬まで常備していた。(趣味用に)
無味無臭で副作用もほとんど無いためカブトは迷うことなくイルカにそれを盛ったのだ。
(だって僕は過去に相手を痛みで泣かせたことが無いし。処女(もちろん男)も泣いて悦ぶ床上手だからね)
やんわりとズボンの上からイルカの性器を握りこむ。
「気持ちいい?」
耳に熱い息を吹き込みながら囁くと、イルカはきつく瞼を閉じながら顔全体を上気させ、素直にコクコクと頷く。
濡れ場にそぐわない子供らしい仕草が、かえってカブトを煽る。
(それにしても、カカシ先生いい趣味してる)
イルカの容姿は人並みでそれ以上でも以下でもない。人目を引くような良い見た目の生徒は他にいくらでもいる。
それでも一度手の中に抱き込むと、イルカは何ともいえない匂い立つような色気を滲ませる。
声が。
イルカの口から漏れる高く鼻にかかったような声が、掠れた甘い声が興奮を掻き立て、たまらなく腰が疼きだす。
「さ・・下も手当てしないとね・・・」
カブトは何とか自分の興奮をねじ伏せ、イルカのズボンを下着ごと引き摺り下ろした。