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み・・・みず・・・。
身体全体が熱を発しているようで、意識が浮上しては沈み込む。
「ほら・・口開けて」
口内にヒヤリとした水が流れ込んできて、喉越しを過ぎると身体全体に染み入るようでイルカはもっと、と口を開いた。
清涼な水を求めてイルカは口を開いたのだが、次に口内に押し入ってきたのは熱くぬめる肉の塊だった。
その肉は縦横無尽にイルカの口内を這いまわり、生温かい液体がイルカの口の中を満たしていく。
「う・・!んっ・・ん」
蠢く肉を口内から押し出そうとすると、それは我が物顔でイルカの舌の動きを封じ絡み付いてくる。
「んっ・・・・はぁ」
息苦しさも限界になろうとするとき、イルカはようやく口内を蹂躙する肉から解放された。
咽ながら生温かい液体を何とか飲み下す。
ぼんやりとした視界の焦点がゆっくりと合ってくるに従ってイルカは自分が再び窮地に立たされていることを知った。
しかも、この状況は逃げ出すのは絶望的だった。
「イルカ君、久しぶりだね」
鼻先が触れ合うほどに顔を近づけて薬師カブトが笑う。
濃厚なキスをされたのだ。この数ヶ月必至で逃げ回ってきた相手に気がつけばイルカは思い切り組み敷かれていた。
一口含んだくらいでは脱水症状の身体に水分は全く足りず、火照った身体と茹った頭を持て余しながらもこの危機的状況にイルカの心拍数はガンガンと跳ね上がる。
ドクドクと身体全身が脈打つのだがイルカの思考回路は思いっきり断絶しており頭は真っ白だった。
全裸のイルカは両の手を頭上に纏めて縛られ、布団の上に仰向けに転がされている。部屋は四人部屋くらいの広さがあるがカブトとイルカ意外に誰もいなかった。
カブトはまだ衣服を身に付けてはいたがピッタリとイルカに身体を密着させてくる。カブトは温泉にまで来て白衣を着用している。カブトから雑多な薬品の匂いが香ってきて保健室での記憶がイルカの頭の中に鮮明に蘇る。
「もっと水分が欲しいよね」
身体の熱で潤むイルカの瞳の前でカブトは小瓶を揺らしてみせた。その中には薄桃色のとろみがかった怪しげな液体が半分ほど入っている。
「これ、飲んでみる?」
カブトがうっとりとイルカの前で微笑んだ。
イルカの頭の中では危険を知らせる赤ランプが激しく点滅する。こんな怪しげな液体を飲んで良い訳が無い。
回避不可能な危機的状況(三回目)にイルカの心臓は早鐘のように鳴りまくる。
口の中が瞬時に干上がり、ろくに言葉も発せずにイルカはいやいやと首を振った。
「そう。じゃあ、これは直接粘膜に塗りこもうかな。その方がきついんだけど、君が飲むのが嫌なら仕方がないよね」
キラリとカブトの眼鏡が光る。イルカはもう半泣きだった。
逃げようとしてもカブトに圧し掛かられ動きを封じられた身体は僅かに身を捩る程度にしか動かせない。
「や・・水・・・みず・・」
「それはもう駄目。あんまり回復されても面倒だしね」
カブトは保険医にあるまじき発言をする。
唇を寄せてきたカブトを避ける為顔を背けると、カブトはイルカの耳朶を口に含み耳穴に舌を差し込んできた。
クチュクチュと耳の中で響く水音にイルカの肌がざっと粟立つ。
「相変らず感度がいい」
イルカの耳を舐めまわしながらカブトはイルカの脇腹を撫で上げる。しっとりと吸い付くような肌の感触を指の腹で確かめながら不意にカブトはイルカの胸の突起を押し潰した。
「っ・・・!」
ビクリと喉を反らせてイルカが身体を揺らす。
イルカの乳首はカブトの愛撫を受けてすぐさま硬く尖っていく。その肉粒の弾力を楽しむようにカブトは指の腹で扱いたり押し潰すように擦ったりしてくる。
「・・・っ・・ん」
爪先を強めに当てられてその強い刺激に堪らずにイルカが声を漏らした。
「やっぱり・・・その声はいいね」
しつこく胸の尖りを弄っていたカブトの指は素早くイルカの下肢に伸ばされた。ぎゅうと握りこまれてイルカのペニスは反応を返すがイルカの肌は更に粟立った。身体は火照っているのに、悪寒が走る。
「や、いや、だ・・・っ!」
「嘘。君の身体はこんなに素直なのに」
皮を上下に揺するようにして陰茎を擦られるとイルカのペニスは少しずつ硬度を増していく。
いつの間にかカブトは上体を起こしてイルカの太腿を押さえつけるようにしてイルカの上に馬乗りになっている。
「変わらずに幼くて可愛いペニスだね」
カブトは弄ぶように強弱をつけて、イルカのペニスをじっくりと眺めながら扱き続ける。
白い蛍光灯の照明の下、イルカの薄い茂みも肌よりも少しくすんだ桃色の性器も全てカブトの眼前に晒されている。
「さて、と」
カブトが先程の小瓶を取り出してイルカは息を呑んだ。
イルカに構わずにカブトはコルクのフタを器用に歯で開け、小さな瓶の口をイルカの性器の上に傾ける。
にやりとカブトは口角を引き上げた。
「一緒に天国に行こうか」
「ひぁ・・・!」
とろりと、瓶から零れた液体は細い糸となってイルカのペニスの紅色の肉の上に到達する。その冷たさにイルカは内股をひくひくと震わせた。
「これからだよ」
液体を全てイルカの性器の上に注ぎきるとカブトはイルカの紅色の亀頭を揉むようにして刺激する。すると徐々に性器の先端が痺れるようなむず痒いようなそんな感覚に包まれてきた。イルカの陰茎は瞬く間に限界まで硬く張り詰める。
「はっ・・はっ・・」
体の変化について行く事ができずにイルカの呼吸はどんどんと浅くなる。
ぬめる液体のすべりを利用してカブトはイルカの尻の狭間に指先を潜らせる。
「ひ、あぁ・・」
さして抵抗も無くカブトの人さし指はイルカの蕾を押し開いて肉襞の中に潜り込んだ。カブトは指を何度も抜き差しして会陰にまで伝う液体を襞の奥に塗り込めていく。
「あっ・・あうぅ!」
時々奥のしこりを指の腹で掠めるようにするとイルカの身体は面白いように跳ねた。
カブトは満面の笑みを見せていた。
楽しい。
どうしてこうもうみのイルカはカブトの嗜虐心を刺激し、満たしてくれるのだろう。
硬めだが艶のある黒髪はシーツの上で乱れ、全身の肌を紅潮させてカブトの愛撫によがり身悶えする。辛そうにきつく眉根を寄せ、目尻には涙を浮かべる。堪えきれずに声を漏らせば、自分の嬌声で更に自身の羞恥を煽りイルカは真っ赤に顔を熟れさせていく。
カブトはイルカの乱れる様を見下ろしながら何度も興奮を宥めるように乾いた自分の唇を舌で湿らせる。
「あーっ!いっ、ああぁ!!」
イルカの後口に潜り込むカブトの指は三本にまで増やされていた。三本に纏められた指は確かな質量をもってずくずくとイルカの尻の狭間を犯す。
「指だと・・・物足りないだろう?君が、欲しがっているものを、あげるね・・・」
興奮のあまり切れ切れに言いながら、カブトはズボンの前を忙しなく寛げた。中からは充分に育っていきり立つカブトの赤黒いペニスが顔を出す。
カブトは大きくイルカの足を広げさせ、膝裏を掬うと露わになったイルカのアナルに性器の先端を宛がう。
ゆっくりとカブトは自分の体をイルカの上に倒していく。
しかしその時、
「お待ちなさい!!うちの商品に手は出させないわよっ!!!」
野太い声が室内に響き渡った。
舌打ちとともにカブトが背後に目線を走らせると部屋の入り口には教頭の大蛇丸が雄々しく仁王立ちしていた。
カブトは素早く着衣の乱れを直すと少々不自然な前屈み大蛇丸と向き合った。
「これはこれは教頭先生。血相変えてどうなさったんですか」
「カブト君。これは一体どういうことかしら。教師が生徒に手を出すなんてあるまじき事よ」
カブトと大蛇丸の舌戦が繰り広げられようとする中、イルカは全裸の上大股開きで二人の間に放置されていたのだが盛られた媚薬のおかげで羞恥心は薄れ依然意識は朦朧としている。
「嫌だなあ、教頭先生。誤解ですよ。治療の一環です」
「治療ですって?」
「ええ。のぼせすぎて勃起不全になりかけていたイルカ君に薬を少しね・・・・」
どんどんと話は変な方行に転がっていって子種の危機からイルカの勃起不全の危機に摩り替わっている。
大蛇丸がイルカの股間に視線を走らせるとイルカの性器はぴんと張り詰め、先端を濡らし、濃い紅色に発色して快感を訴えている。
「あら・・・。薬はよく効いている様ね」
興味深げに大蛇丸はイルカの股間を眺めたが、
「なんて、騙されないわよ!これはゆゆしき問題ね。生徒の自由を奪った上に薬を盛ってカマ掘ろうとしていたわね!!」
びしりと大蛇丸はカブトに人さし指を突きつけた。
股間を膨らませたカブトに騙される大蛇丸ではなかった。
しかしカブトも負けてはいない。
「そういえば教頭先生。商品って何の事ですか?」
大蛇丸が怒鳴り込んできた際にうっかり滑らせた言葉をカブトはしっかり聞いていた。
カブトは何処まで知っているのやら、意味深に笑みを浮かべるカブトを大蛇丸は無言で睨みつける。。
木の葉の里では教職に就く者の副業は禁止されている。まあ、大蛇丸の収入から言えば暁倶楽部のオーナー1本でも充分すぎるほどに食ってはいけるのだが。
(忍術学園を辞めたら、自来也校長と毎日会えなくなってしまうわ・・・・)
しばし、眼前のカブトの存在を忘れて大蛇丸は切なくため息を零した。
(そんなの嫌!私は恋も仕事も諦めない!こんな小僧に邪魔させないわ)
切なげに寄せた眉根を開き、今度はギッと眉を吊り上げて大蛇丸は再びカブトを睨みつける。
「わかったわ。このことは不問にしてあげる。イルカ君を置いて出て行きなさい。あ、それとイルカ君に盛った薬も置いていきなさい」
最近勃ちが甘いと悩む暁倶楽部の会員に高額で売りつけようと大蛇丸はイルカと一緒に薬もちゃっかり手に入れるつもりだ。
「薬?これは僕が特別に調合したもので材料も貴重なものを使っています。それだとこの取引は割に合わないな」
「・・・ならうちの店にその小瓶ひとつで3万円で卸すのならどう?うちに来るジジイ連中に絶対うけるわ、それ」
いつのまにやら口止めの取引が商売の取引になっているカブトと大蛇丸だった。
「そうですねえ・・・・。今回はまあ、特別に3万で手を打ちますよ。次からは時価でお願いします」
「ふん、まあいいわ。今あるだけ買い取るから準備をしておいて」
「それでは、交渉成立という事で」
M字開脚をしっぱなしのイルカを挟みカブトと大蛇丸は固く握手を交わした。
大蛇丸はこの時はまだ知るよしも無かったのだが、暁倶楽部の運営にあたり強力な右腕が誕生した瞬間だった。
この後、暁倶楽部は数年で各国の隠れ里にある支店の数を三倍にまで増やしますます業績をあげていくのだがそれはまた別の話。
カブトが部屋を去り、全裸のイルカと大蛇丸が部屋に取り残された。
「イルカ君、イルカ君」
両手の紐を解いてやりペチペチと大蛇丸がイルカの頬を叩く。
うう、と呻き声をあげイルカが顔を顰めながらうっすらと瞼を上に押し上げた。
「イルカ君、大丈夫?」
みず、と微かにイルカの唇が動く。大蛇丸は右往左往しながら水を汲んできてイルカの唇に湯飲みを近づけた。
イルカが湯のみからコクコクと水を飲む。
「大丈夫?」
もう一度訊ねるとイルカが弱々しく頷いたので大蛇丸もふうと息を吐き出す。
「イルカ君。いいこと?暁倶楽部の一員になったからにはその自覚を持って、安易に男に身体を許しちゃ駄目よ」
めっ!と大蛇丸に額を小突かれ、水分補給をして人心地ついたものの媚薬の所為で意識が霞みがかったままのイルカの脳内にはなんのこっちゃと疑問符が飛び交う。
「でも、暁倶楽部の卒業はいつでも自由よ。そうね・・・イルカ君にこの人に操を立てたいって思えるくらいに愛せる男が現れたら、私はいつでも祝福して暁倶楽部から君を送り出してあげるわ」
大蛇丸の胸に抱えられたまま、イルカはぼんやりと大蛇丸の言葉を聞いていた。
なんだか暁倶楽部って、色々と意気込みが必要そうだな、大変そう、などと思いながら。
愛せる男って、どうして男前提なのだ。イルカはまだ可愛い彼女を作る夢を諦めてなどいない。
腹が一杯になるほどのセックスライフを送っているが、憧れるのは筋骨隆々の同性の身体よりも断然柔らかな曲線を描く女の子の身体だ。
しかし忍術学園は男子校なので、その女の子の身体の柔らかさをイルカは想像する事しか出来ない。
「・・・そんな人、いません・・」
「あらそう。それじゃあ、カカシ君は片思いねえ。可哀想に」
「・・えっ・・・」
ドクン、と大きくイルカの心臓が動いた。
どうして今カカシの名前がでてくるのだ。
「あんなにイルカ君の事が好きなのに。さっきなんて必至に私を牽制したりして、うふふ。可愛いわね。あ、でも安心して。私のタイプは自来也校長とか、イビキ君とか線が太い漢タイプなのよね。カカシ君は優男でちょっと線が細すぎるわ。うーん、アスマ君ならまあ、少し若いけどいけない事はないわね〜」
何やら耳元で大蛇丸が喋り倒しているがイルカの耳には一切入ってこない。
心臓が耳の傍にくっ付いているみたいにドクドクと脈打つ音が煩い。
何を言っているのだろう。ある訳が無い。カカシが感心があるのは、セックスだけで。別に相手はイルカじゃなくてもいい筈で。
カカシが、自分の事を、好きだなんて。
薬を盛られた身体が一気に熱を吹き返す。
「んぅ・・・・・」
小さく呻きながらイルカが大蛇丸に抱えられたまま背中を丸め膝を抱える。
イルカの性器は痛いほどに張り詰めて熱を持ったままビクビクと痙攣する。吐精の一歩手前まで前立腺を攻め立てられておいてその後ずっと放置されたイルカのペニスは思い出したかのように真上を向くほど立ち上がり存在を主張している。
「え?イルカ君?あっ、あらー、辛そうね」
イルカが両手で勃起したペニスを大蛇丸から隠すように握りこむ。
「だ・・大丈夫です・・・」
「でも、でも、そうだったわね、薬で辛いわよね。一発抜いた方が良いわよね。ううん、困ったわ。私はイルカ君みたいなカワイコちゃんはタイプじゃないのよね」
くるりと丸くなって発熱する身体を持て余すイルカを、人の世話をし慣れない大蛇丸も速攻で持て余し始めた。
「困ったわ〜、困ったわ〜」
オカマだが逞しい大蛇丸は全裸のイルカをシーツに包むと両手で抱き上げすっくと立ち上がる。
部屋を出て誰か学園の人間に行き会わないかと大蛇丸が少し廊下をうろうろとすると、上手い事イルカを託す適任に大蛇丸は行き会えた。
「イビキ先生〜vvv」
好みだというだけに大蛇丸の呼び声は甘く右上がりだった。
「!!教頭先生!イルカはどうしたんですか!!」
大蛇丸が抱き上げているイルカを見て顔色をなくしたイビキがガサガサと土産袋を揺らしながら駆け寄ってくる。
「湯治部の副部長さんでしょ、イルカ君。お願いできるかしら。なんだか勃起不全の治療中らしいのよ、一発抜いてくださる?」
さっきまではイルカは暁倶楽部の一員だと言っていた口で、大蛇丸は湯治部顧問のイビキに軽やかにとイルカを押し付ける。
「ぼ・・・勃起不全!!」
ガーン、と。稲妻に打たれたようにイビキはショックを受けた。
イルカはまだ17歳。やりたい盛りの年頃だろうに、この若さで勃起不全の治療をしているとは。
まさかそのために熱心に湯治部の部活動に参加し、湯治治療でもしていたのだろうか!!何ということだ。
イビキは震える手で小さく丸まったイルカを大蛇丸から引き受けた。
「教頭先生・・・。イルカの事は預かります。このこと(勃起不全)は内密に」
「了解よ。それじゃあ任せたわね〜」
大蛇丸は軽い足取りでイビキの前から姿を消した。
イルカを抱き抱えたまましばし廊下に立ち尽くすイビキ。
ガクガクと震えるイビキの手に下げられたビニール袋の中、おはぎへの土産(前歯削り様に無着色木の玩具を購入)もガクガクとイビキの驚愕を反映ししばらく震え続けていた。