イルカはあられもなくカカシの目の前で開脚させられている。
カカシの目に映るはずもないが、容易に想像できるであろう自分の体勢に恥ずかしさのあまり体がそれだけで火照ってしまう。
「んっ、ん!・・・く、ああっ!!」
カカシはイルカへ執拗に愛撫を与える。
カカシは後口に奥深く差し込んだ二本の指を揃えて鉤状に折り曲げて、一気に引き抜く。
「ああああっ!!」
イルカの背中が勢い良くしなる。
腰の中央に集まった熱はとっくに限界を超えているが、カカシの指が根元に絡みつきイルカの遂情を阻止している。
先走りの液でヌルヌルと全体が濡れそぼったイルカの性器はそれ自身の熱もあいまって濃い匂いを放つ。
「ああ、凄い。イルカ先生の匂いがする」
「や・・!嫌だッ・・・!!」
羞恥のあまり、イルカは反射的に叫ぶ。
「俺を拒まないで」
「う・・ああっ・・!」
まとめて三本の指を捻じ込まれてイルカの左右に大きく開いた膝が笑う。
カカシは育ちきったイルカの性器の竿をゆるく擦りながら、指の腹で直腸内を執拗に嬲る。
「カカッ・・・、も、う!」
イルカが切なげに眉を寄せる。
カカシにはイルカの雄がビンと張りつめる感覚が伝わる。
指の戒めを緩めると同時に、カカシは指の腹で力強くイルカの前立腺を抉った。
「ああぁっ!!」
イルカは腰を高く突き上げるようにしてカカシの目の前で精液を吹き上げた。
白い蜜はカカシの手も、胸元も、顔までも白く汚した。
くたりと弛緩したイルカの前で、カカシは愛しげにその白濁した液を舐め取っていく。
「イルカ先生の味だ」
「いやだ・・もう」
身を焼かれるような羞恥にイルカは両腕を交差して自分の顔を隠す。
「あなたが今、どんな顔をしているか、手にとるように分かります」
ピクピクと小刻みに揺れるイルカの白い内腿をカカシはきつく吸い上げた。
ピリとその箇所に痛みが走る。
広範囲に舌を這わせてカカシは丁寧のイルカの飛び散った精液を舐め取っていく。
とろりと白い蜜に濡れて力なく項垂れてしまったイルカの先端に口を付けて、カカシはまだ中に残る残滓を吸い取る。
「ああっ!」
達したばかりでまだ敏感なそこを舌先で嬲られて、イルカはまた自分の性器に芯が通りはじめるのを感じた。
立ち上がりかける竿にも、まだ柔らかい陰嚢にも、黒い茂みにまでカカシは舌を這わせる。
視力を失ったカカシとのセックスは獣じみている。
「俺にはまだ、味覚と、聴覚と、触覚が残っているから。これからだって、あなたを抱く事ができるよね・・・」
独り言なのか、イルカに問い掛けたのか。
判断はつかなかった。
「視力を失っても、俺にはあなたが見えます」
初めてカカシが自分から目のことに触れた。
視力を失って、一ヶ月が経っていた。

つ、とカカシはイルカの内腿に指を這わせる。
「イルカ先生の右側の足の付け根には、小さなほくろがあって・・・」
カカシはイルカの背中とシーツの間に腕を潜り込ませる。
「背中の傷は、ちょうど尾骨の上から右側の肩甲骨の下まで伸びている」
するりとカカシはイルカの背中を撫で上げた。
「・・・っ!」
突然の柔らかな愛撫に、逆にイルカは過剰に反応してしまう。
「あなたの身体にある小さな傷は数え切れないくらいだけど」
カカシはイルカの腹筋から、脇腹、飛んで手首から二の腕にかけて、傷一つずつに丹念に唇を落とす。
「一つ残らず、覚えています」
グリと突然強く、胸の突起を指で押し潰されイルカは息を詰めた。
「此処がどんな風に鮮やかに色づくのかも」
「うっ・・んん!」
「あなたの事なら、どんな些細な事でも・・・・」
強く揉みしだかれて、赤く尖ったイルカの胸の飾りを宥めるように舐めあげてから、カカシは更に上へと舌を這わす。
「イルカ先生の可愛い鼻の傷は、左眼の真ん中から、右側の目尻まで走っています」
カカシはイルカの鼻頭にキスを落とすと、イルカの頭部を胸元に抱き込んだ。
「あなたの眼の色は、漆黒の闇の様だし。夜の、吸い込まれそうな海の色の様ですね。俺はどちらの色も好きです」
じっとカカシの腕の中でカカシの紡ぐ言葉を聞いていたが、イルカの胸がざわめき始める。
「俺は、一生忘れない」
どくん、どくんと。
イルカの鼓動が早まっていく。
「い・・や、・・・だ」
「・・・愛しています」

イルカの心を一瞬で満たしたのは、歓喜ではなく、恐怖だった。

「嫌だっ!!」
突然狂ったように、イルカはカカシの腕の中で暴れ始めた。
「イルカ先生!」
カカシは渾身の力を込めてイルカを押さえつける。
「お願いだから・・・!!」
今だけは。
オレを拒まないで。
カカシの血を吐くような懇願に、イルカの全身は総毛立った。
何故、どうして今そんなことを。
今だけでいいのなら、その先は・・・?
「やだっ・・や!」
イルカはカカシの手によって、両足を自分の胸に付くほどに折り曲げられる。
カカシは自分の前に晒されたイルカの後口に迷う事なく猛った楔を打ち込んだ。
「ああああっ!!」
慣らされていたとはいえ、激しい挿入にイルカの息が詰まる。
カカシは間髪をいれずにイルカの中へ抽挿を繰り返し始めた。
「あっ!ああっ!」
快楽へは程遠い、カカシの暴力のような腰使いにイルカは生理的に反応して声を漏らすだけだ。
イルカがカカシを見上げるとカカシは包帯の上からも分かるくらいに辛そうに眉根を寄せている。
快楽を耐えているのか。
苦痛を耐えているのか。
イルカの性器はすっかり萎えていまい、カカシの動きに翻弄されて頼りなく揺れている。
イルカの様子にも気付かずに、カカシは今一心不乱にイルカに腰を打ちつけてくる。
カカシに揺さぶられながらも、イルカはシンと頭の奥が静まっていくのを感じていた。


カカシは、何か自分で決断を下してしまった。
カカシが遠くへ行ってしまう様な気がした。


イルカが意識を取り戻したのは、昼も過ぎ去って日も傾き始めた頃だった。
自分の身体には背後から抱きすくめるようにしてカカシの両腕が絡みついている。
カカシの存在を認めて、イルカは小さく安堵の息を吐いた。
「・・・すみません」
耳では拾いきれないような小さな声でカカシが謝罪を口にした。
「いいんです」
イルカはそろりと身体を動かそうとして、腰に走る鈍痛にピタリと身体を止めた。
「大丈夫じゃ・・・ないですね」
カカシが恐る恐る、労わるようにイルカの腰に手を回す。
所在無さげなカカシを勇気付けるようにイルカはその上に手を重ねる。
「俺が、色々やれたらいいんだけど。役立たずで・・・・・」
「カカシ先生、腹、減りました・・・・?」
「いや、大丈夫・・・・」
イルカはゆっくりと身体を反転させて、カカシと向き合うとピッタリと身体をくっ付けた。
「それじゃあ、今日は、しばらくこうしていましょう」
額をカカシの胸元に擦りつけるような仕草をすると、カカシはイルカの背中にしっかりと腕を回した。
胸元に抱き込まれたイルカはカカシを見上げる。
形の良い薄い唇は硬く閉じられている。
「愛しています」
イルカの言葉を受けて、カカシの唇が僅かに震えた。
イルカの背中に回された腕に更に力が篭る。
しかし、カカシが言葉を返すことは無かった。



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