いと つみぶかし 4
それから数日経ち、カカシはすっかり回復した。
だが火影と積極的に連絡を取る事もなく、カカシはイルカの寝室での生活を続けていた。
しかしそれが長く続く訳もなく、寝室の窓ガラスをこつこつ叩く式鳥がカカシへの次の任務を持ってきたことでこの不可思議で居心地の良い非日常の終わりは目前となった。
今夜もいつものようにイルカはベッドに潜り込んできたが、カカシはすばやく体勢を反転させイルカを組み敷いた。
「カカシ先生・・・?」
「イルカ先生、俺ね、明日から任務なんだ。その前にあんたを抱きたい・・・」
いつも腕の中でイルカを見上げていた赤と蒼の双眸は、今は静かにイルカを見下ろしている。
「・・・カカシ先生、すっかり回復されたんですね」
柔らかな笑みを浮かべるイルカは、いつものイルカと変わりないようにカカシには見えた。
「イルカ先生。あんたが欲しいよ。いいよね・・・?」
途端にイルカの目は潤み、サッと頬が上気する。
「カカシ、先生・・・」
全く、この人はなんて顔をするのだろうか。
カカシの理性は吹き飛んだ。
荒々しく唇を合わせ、何度も何度も角度を変えてイルカを貪る。息継ぎもままならず、イルカの口の端からは飲みきれない唾液が溢れ出る。歯列の裏も、表も、歯茎も上顎も舌の付け根も。イルカの全てを暴いてしまいたい。カカシの舌はイルカの口内を余す所無く這いまわる。
思う様口内を嬲り、柔らかな舌を味わうと、カカシは濡れた唇でイルカの耳朶に吸い付き甘噛みする。
「ふ・・うっ・・」
イルカから密やかな声が漏れ始め首筋まで鮮やかな赤に染まるのを見てカカシは否応なしに煽られる。
寝巻きを忙しなく剥ぎ取りイルカの上半身を露にする。
腕や顔など日に晒される部分に比べて普段隠されているイルカの肌は驚くほどに白い。毎日風呂場で見ているイルカの身体は、今夜は青白い月光に照らされ滑らかな白磁のように美しく見える。
初めて触れるイルカの身体に興奮を押さえられず、セックスを覚え始めたガキのようだとカカシは苦笑する。
薄紅色の胸の突起を指の腹で押し潰すように揉むと、与えられる快感から逃げるようにイルカは身をくねらせる。
尖り始めた突起を口に含んでコリコリとしこるまで舌先で転がして愛撫を続ける。
「んっ・・んっ・・あ」
胸への愛撫だけでイルカの腰はもどかしげに揺れ始める。
イルカの肌はきめ細かく、しっとりと汗ばみカカシの手のひらに吸い付いてくるようだ。その感触を楽しみながら腹筋をなぞり、臍の窪みをくすぐり、カカシはイルカの下着の中にまで手を伸ばす。
初めて触れるイルカの性器はすでに充分に育ち熱を持っていた。
風呂場で見るイルカの雄はいつも茂みの中に大人しく埋もれていた。
「イルカ先生、見たい。見せて・・・」
「やっ・・カカシ先生!」
思わず足を閉じようとするイルカを難なく押さえてカカシは寝巻きのズボンを下着ごと引き下ろす。
ブルンと勢い良くイルカのペニスは顔を出した。その恥かしい振動にイルカの顔は更に赤らむ。
日に晒されて日焼けしたイルカの肌よりも少しだけくすんだ色をした昂ぶりの先端には一滴、甘い蜜が湧き出ている。カカシは舌を伸ばしてペロリとその蜜を嘗め取った。更にその蜜を求めてカカシは亀頭を口に含み、舌先を柔らかな肉の上で揺らす。
「ダ・・ダメッ・・!んっ・・は」
イルカの内腿はがくがくと揺れ始める。
カカシはイルカのいつものやり方をなぞり喉の奥深くにイルカのペニスを呑みこむ。
「んん―――!!んっ・・ああ!」
鈴口を舌先で強く抉りながら竿の根元を二度三度強く扱くとイルカはカカシの口の中へ吐精した。イルカの射精は長く続き、ビクリとペニスが痙攣するたびに濃い蜜がカカシの舌の上に注がれた。カカシは一滴も残さずにイルカの精を飲み干す。
「イルカ先生、たまってた?」
イルカの顔は羞恥に歪む。
「ん、ずっと俺の世話ばっかりさせちゃったし、抜く暇なかったよね。今夜はたくさん気持ち良くしてあげるから・・・」
イルカの両膝を胸に付くまで折り曲げるとカカシは外気に晒された後口に舌を這わせた。
「ひあ・・!ダメですっ・・!カカシせんせっ・・・!!」
カカシは舌を尖らせてイルカの秘所を押し広げるように侵入させる。唾液を何度も何度も送り込み内部を潤わせる。
「やっ・・そんな、とこ・・・きたな・・」
ひっそりと閉じられていた蕾を舌で可能な限り押し広げながらカカシは確信した。
柔らかく濡れる舌ですら頑なに侵入を拒むイルカの後口。
「イルカ先生、男とするのはじめて?」
顔を赤らめ目尻に涙を浮かべながらイルカはコクリと頷く。
自身でもあまり触れる事が無いであろう場所を舌先で愛撫されイルカは羞恥と戸惑いで下肢を細かく震わせている。イルカの反応にカカシの心拍数はさらに跳ね上がった。
信じられない。
あれほどに手練手管に長けたイルカは奇跡的にまだ男を受け入れていない身体だった。
驚きとともに押さえきれない喜びが胸に湧き起こってくる。
カカシは急いで浴衣と下着を剥ぎ取り、猛った自分の雄をイルカの股間に押し付けた。その熱さにイルカの下肢はビクリと跳ねた。
カカシはイルカの上半身の上にピタリと覆い被さり、痛いほどに張り詰めた自身と後口への刺激に慄き萎えたイルカのペニスを一緒に大きな手で握りこむ。
「・・カカシ先生・・・?」
「ん、イルカ先生、初めてなら優しくしたいから。俺、がっついちゃいそうだし。一回抜いとくね・・・・」
自分の手で輪を作るとその中を何度も往復させるようにカカシは腰を振り始める。カカシの性器と一纏めに握りこまれていたイルカ自身もカカシが動けば当然に刺激を受けてしまう。
「あ、あっ・・や!カカシ先生!」
「大丈夫・・気持ちいいから。そのまま俺について来て・・・」
一度果てたイルカの性器は再び力を取り戻し始め、やがてイルカの腰もカカシを追うように揺れ始める。二人の先端からはあとからあとから白い蜜が溢れ、更に滑りを良くする。
「あ!あっ・・!んうっ!」
グチュグチュと耳を塞ぎたくなるような卑猥な音が寝室一杯に響き、それにより二人の理性はどんどん剥ぎ取られていく。
きつく眉根を寄せて目を瞑り、イルカはもう快楽を追うことしか考えられず、カカシのペニスにひたすら自分を擦りつけてくる。
そこには昼間のいつも人好きする笑みを浮かべている男の面影は欠片も無く、今目の前の、目も眩むようなイルカの姿を知るのは自分だけだと思うと、カカシの雄には更に熱が集まり出口を求めてどんどん昇り詰めていく。
「・・・・くっ・・!!」
「あ!あああぁっ・・・!!」
どんどん高みに追い詰められ思わずイルカはカカシの腰に両足を巻きつける。カカシがイルカの首筋に顔を埋めると硬い腹筋の間にお互いのペニスは押し潰され、外からの強烈な刺激に二人は同時に吐精した。
今までの射精感とは比べものにならない。
自分以上に乱れるイルカを前にすると快楽が更に倍増されるような気がする。
これほどに人と肌を合わせる事を気持ち良いと感じた事は無い。きっと初めてだ。
それは多分。
「イルカ先生・・・好き」
好きだと告げただけで再び自分の腰に熱が集まってくる。
「イルカ・・好き、好きだよ・・・」
見上げてくるイルカの瞳は闇を溶かしたように黒く濡れていて引き込まれてしまいそうだ。
うっとりとひたすらにカカシを見上げるイルカの目には、カカシの言葉を受けてはっきりと喜びが揺らめいている。
ああ、本当に。
「あんた、なんて顔するの」
堪らずにカカシはイルカの口を塞ぐ。激しくイルカの口内を舌で嬲りながら、先程吐き出した精液を指先にすくい取り唾液にぬめるイルカの蕾の奥深く潜り込ませる。
「ん!んんっ・・・!・・ふ!」
達した直後で全身弛緩していたイルカは一気に二本も後口にカカシの指の侵入を許してしまった。精液を直腸に塗りこめるようにカカシの指は自在に蠢く。未開の地をカカシは辛抱強くゆっくりゆっくりと内側から広げていく。指を抜き差しすれば内部に注ぎ込まれたカカシの唾液と二人の精液が混じりあい、泡立ちながら入り口に溢れ出てくる。
「はあっ・・はっ、あっ・・」
ようやくカカシの口付けから解放されイルカは指を抜き差しされる圧迫感を逃がすように荒く呼吸を繰り返す。
指は三本に増やされて、さらに奥深くカカシはイルカを探り続ける。
「あぅっ・・!!」
ちょうど性器の裏側を指の腹で強く抉られてイルカは全身をしならせた。
そこを何度も指の腹で擦りあげれば一度果てたイルカの性器は再び頭をもたげ始める。指先での愛撫を続けながらカカシは思い切りイルカの足を左右に開き膝を立たせる。
「イルカ・・・そのまま俺の手に集中して」
ゆるりとイルカのペニスを扱きながら後口から指を引き抜くと、カカシはイルカの膝裏を片手で持ち上げ亀頭をイルカの解れた入り口にあてがう。赤い粘膜を指で押し広げ亀頭をゆっくりとイルカの中に潜り込ませていく。
カカシは少しずつ腰を揺らしながら楔をイルカの中に埋め込む。
「うっ・・・くうっ!!」
指とは比べものにならない質量に身体が引き裂かれてしまいそうだ。唇噛み締めるイルカの口内には血の味が広がる。
「ダメ。唇噛まないで。俺の肩、思い切り噛んでいいから・・・」
カカシはイルカの肩口に顔を埋めてイルカの身体を固定すると更にじわじわと腰を進めていく。
「ああっ!!・・・んっ、んうっ!」
イルカは堪えきれずにカカシの鎖骨に思い切り歯を立てる。イルカの歯はカカシの白い肌の薄皮を破り、そこに血を滲ませた。イルカは更に思い切りカカシの首筋に歯を立てる。イルカの血の味とカカシの血の味が口内で混ざり合う。
「・・ッ・・全部、入ったよ」
カカシはゆらゆらと腰を揺すりながら少しずつ出し入れを繰り返す。
「力抜いて・・・・」
動かなくても強烈な締め付けだけでイッてしまいそうだ。
イルカの中は物凄く熱く、襞に握りこまれてそのまま溶けてしまうような錯覚に陥る。
それでもいい。イルカに呑み込まれて蕩けて、イルカと一つになってしまいたい。
カカシは自分を宥めながら少しでもこの快感が続くようにゆっくりと律動を繰り返す。
「あっ、ああっ・・ん!」
イルカの漏らす喘ぎに甘い艶が混じりだした時、ようやくカカシは律動に激しさを加えていった。角度を変えて一点を抉るように腰を叩きつける。
カカシは肩にイルカの両足を担ぐと更に結合を深めて根元までイルカの中に押し込み、雁が抜ける寸前まで引き抜く。
「あああぁっ!!!」
膝頭が胸に付くほどに身体を折り曲げられイルカは際奥までをカカシの熱い肉棒に抉られる。強く突き上げられる度にイルカの張り詰めた先端からはたらたらと白い蜜が溢れ続ける。
「んっ・・ほら・・自分で、触ってみて」
カカシの手に導かれイルカは自分の昂ぶりに手を伸ばす。
「ひあっ!!あっ、ああ・・!」
イルカは尻の間をカカシに犯されながら夢中で自分の性器を扱き始める。涙に熱っぽく濁ったイルカの目はすでに焦点が合っていない。ひたすらに絶頂に向けて先走りに滑る自分の竿を両手で擦り上げている。
イルカの凄まじい媚態を見せ付けられカカシは一溜まりも無かった。
ぶわりとカカシの雄の先端が膨張した次の瞬間、イルカの直腸の奥深くに熱い飛沫が叩きつけられた。
「やっ、あっ!・・っ!ああ―――っ!!!」
「う・・あっ・・すご・・」
自分の体内に初めて受ける精の熱さに戸惑いながら、イルカのペニスからも勢い良く白汁が迸る。同時にイルカの中でまだ痙攣を続けていたカカシのペニスを蠢く襞はきつく締め上げてくる。
吐精した瞬間も、その後も強すぎる快感に襲われカカシは迂闊に動くことも出来ない。カカシに組み敷かれたままのイルカはすでに意識が無く、ぐったりと身体を投げ出している。
「んっ・・・」
未だきゅうきゅうと絡み付いてくるイルカの熱からようやくカカシは自分の性器を引き抜いた。
イルカは初めてだったのに、最後は自分を押さえられずに少し手荒に抱いてしまったかもしれない。
「イルカ先生・・・イルカ・・」
意識を飛ばしてしまったイルカからは返事はない。
イルカは無防備にカカシの前で眠りに身を委ねている。
その穏やかな寝顔を飽く事なくカカシは眺めていた。
「イルカ・・好きだよ」
艶やかな黒髪を一房手に取り、そっと口付ける。
任務が終わったら、真っ先に会いに行くから。
自分には里へ帰る理由が出来たから。
イルカが待っているから。
翌朝になっても眠りつづけているイルカに後ろ髪引かれる思いでカカシは任務へと向かった。